ブレーキが利かない

2013年に起きた、大分県のバス転落事故をご存じでしょうか。
観光バスがブレーキトラブルによって道路を飛び出して線路に転落し、42名が重軽傷を負いました。
この事故の原因はペーパーロック現象だったと発表がありました。
あまり聞き覚えのない言葉ですが、ペーパーロック現象とはどんな現象なのでしょうか。

ブレーキは、ペダルの力が制動装置に伝わって作動します。
本来ブレーキオイルは液体のため効率よく力を伝えることができるのですが、オイル中の水分が沸騰して空気の泡が発生してしまうことがあります。

すると気体は液体と違って簡単に圧縮されてしまうため、ブレーキペダルにかかる力がブレーキ装置まで伝わらなくなってしまうのです。
その結果、ブレーキ装置が動かずブレーキが利かないという事態が発生します。
これがペーパーロック現象です。
ただ普段通りに運転している際に突然起こるものではありません。
急ブレーキを踏んだり、フットブレーキを使いすぎたりすることで起こりやすくなります。

ペーパーロック現象を起こさない運転を

車を運転中、ブレーキが利かないことほど恐ろしいことはありません。
ペーパーロック現象を発生させないために、日頃から注意することが大切です。

特に長い下り坂には注意が必要です。
ペーパーロック現象はフットブレーキの酷使が原因で起こります。
オートマ車を運転しているとついフットブレーキに頼りがちになってしまいますが、下り坂を走る際は、エンジンブレーキを併用することを心がけましょう。

ブレーキオイルの劣化にも注意

ブレーキオイルが劣化し、気泡がたまっていると、簡単にペーパーロック現象が起こりやすく危険です。
可能な限り、定期的に点検と交換をしてください。

ブレーキオイルが劣化すると、ペーパーロック現象の前兆として普段よりもブレーキの利き始めが遅くなります。
「最近、深く踏み込まなければブレーキがかからなくなった」と感じたら、極力フットブレーキに負荷をかけないよう注意して運転し、すぐに整備をお願いしてください。

どの車でも、突然ブレーキが利かなくなるということはありえません。
ペーパーロック現象が起こる際は前兆があります。
それを敏感に感じ取り、事故を未然に防ぎましょう。

もしも運転している最中にペーパーロック現象が起こったら

予防が何より大切なのは言うまでもありませんが、もしも運転中にブレーキが利かなくなってしまったらどうしたらいいのでしょうか。
エンジンブレーキでだんだんにスピードを落とすのが正解ですが、とっさに正しい操作をすることは難しいかもしれません。

自力で止まり切れないと判断したら、ガードレールや壁にこするようにして停車させましょう。
教習所では、すぐハンドルを切って路肩へ突っ込むように教えるそうです。
当然愛車の損傷は免れませんが、自分や周囲の人の安全を優先するならば仕方がありません。