速度違反と交通事故との関係

クルマを運転する人なら、一度は道路上で速度違反を取り締まりしている警察官の姿を見かけたことがあるでしょう。

もしかしたら、これを読んでいる人の中にも何度か速度超過違反のために切符を切られてしまったという経験がある人もいるかもしれません。

速度超過は交通違反の中でも大変に件数が多く、また減点割合も相当に重くなっていることが特徴です。
走行速度が法定速度よりも一般道で30km/h、高速道路で40km/hを超えた場合には一度の違反で一発で免許停止となり、さらに前歴がある場合には免許取消という非常に重い処分を受けるようになっています。

実際に起こってしまった事故を検分したときにも、運転者の速度超過が原因であることが発覚する事例もかなり多くあり、その多くが死亡事故です。

具体的には交通事故件数のうち最高速度違反によるものは全違反の6位となっていますが、死亡事故率だけで比較すると速度違反は脇見運転、万全運転に次ぐ3位と高くなっていることが特徴です。

速度違反の取り締まりの現状と問題点

速度超過の取り締まりは、ほとんどの場合見通しのよい直線道路で行われていることが多く、天気の良い日などのドライブでは、周りに自動車もいないことだしということでついスピードを出していて急に警察に呼び止められるというようなことがしばしば起こります。

確かに速度違反が重大な死亡事故につながるということはわかるのですが、実際の取り締まりは到底事故など起きそうもないような安全性の高い道路で行われているということが大きな批判のもとになっていたりします。

また半分冗談で、「年度末になると検挙率が他県よりも低い都道府県は、点数稼ぎのためにわざわざ違反がおこりやすい道路で取り締まりを強化する」というようなことが語られることもあり、まるで速度違反は本来のドライバーや歩行者の安全よりもむしろドライバーを取り締まるための取り締まりになっているというふうに言われたりします。

ただしこのような「事故が起こりそうもないところでの取り締まり」が横行する背景には、取り締まりのために事故が起こるようなことがあってはいけないという道路事情のためと、取り締まりを行うことによる社会全体への抑止効果を狙ったものというような説明がされていたりします。

しかし、いずれにしても現行の速度違反の取り締まりについては取り締まりを受けたドライバーの多くが反発を覚えるだけで、実際の抑止効果や事故防止効果にはあまりつながっていないというのが現状のようです。

自動速度違反取締装置(オービス)の設置場所について

ここ最近では、実際に警察官が道路上に張り付いて違反者を現行犯として取り締まるのではなく、自動速度違反取締装置(オービスなど)を使用して違反者にあとから通知をするというシステムが一般化してきています。

オービスが近くにあることがわかると自動的に通知をしてくれるという機能を持った発見器やカーナビも販売されています。
ただしオービスは一般的なレーダー式の他、ループコイル式やHシステムなど次々と新しい機能を持ったものも登場してきているので、一度そうした発見機器を購入したからといって安心というわけではないようです。

オービスの設置は主に高速道路上となっていますが、プライバシーへの配慮からあらかじめ近くには写真を撮影することの注意が書かれた看板がかけられていたりします。