横断歩道以外の場所を横断しようとした高齢者への対策
運転中、高齢歩行者に衝突してしまう事故はしばしば発生しています。
2016年のデータによると交通事故の死者のうち約55%が65歳以上の高齢者で、しかもそのうちの47%が歩行中に交通事故に巻き込まれています。
車を運転している場合、高齢歩行者に対しては細心の注意を払うべきなのです。
2015年のデータを見てみると、高齢歩行者が犠牲になった事故は特に自宅から近いところで多く発生していることがうかがえます。
自宅から500メートル圏内、しかも横断歩道以外のところを横断するときに車両と衝突してしまい亡くなってしまう事例が半数を超えているといいます。
時間については17〜19時台に集中して発生しており、買い物もしくは友人宅から帰宅するときに事故に遭遇することが多いようです。
17〜19時台と言えば、夕方ごろでどの季節でもちょうど薄暗くなってくるタイミングです。
細かいものが見えにくくなりますし、日中仕事などをしていると、疲れから集中力散漫になりやすい時間帯でもあります。
そんな状況でお年寄りが横断歩道でもないところを横断すると、発見が遅れ衝突してしまうわけです。
もし高齢歩行者が横断歩道以外のところを横断しているのであれば、減速で留めず車を停止しましょう。
高齢歩行者の中には「車は止まってくれるはず」と思い込んで、車を見つけてもそのまま横断してしまう人も珍しくありません。
歩行者を発見したら、速やかに速度を落とし、徐行して様子を見ることが事故を防ぐために大切なのです。
この時、特に急いでるときなどはクラクションを鳴らしたくなるかもしれません。
しかし、クラクションを鳴らすと高齢者が焦ってしまって、正しい判断ができなくなります。
安全確保でどうしても必要な場合を除き、なるべくクラクションを鳴らさないように注意してください。
「かもしれない」と意識することが大事
高齢歩行者を事故に巻き込まないようにするためには、「高齢者がいつ道路を横断してもおかしくない」という意識を常に持って運転することが大事です。
常に高齢者が飛び出してくると思って運転すれば、周囲の状況に注意できますし、何かあってもいいようにあまりスピードを出さずに済むでしょう。
横断歩道付近で高齢者を発見したら、徐行や一時停止を遵守することも重要です。
そうすれば、不意に高齢者が横断歩道を歩きだしても衝突するリスクは低減できます。
また、夕方に事故が多いので、日が暮れ始めたら早い段階でヘッドライトを点灯させるように心がけることも大事です。
周囲に高齢者がいれば早く発見できますし、高齢者側も車両が近づいていることに気づけるので、今は横断をしないと判断してくれる可能性があります。