運転中に後方のドライバーから煽られて困った。
普段から車を運転する方であれば、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
煽り運転とは、前を走る車に進路を譲らせるために、必要以上に車間距離を詰める、パッシングや幅寄せをするといった運転のことを指します。

なかには悪質なドライバーもおり、何キロも煽り運転で追いかけまわされることもあります。
それによって焦った前方車両が運転を誤り、まったく関係のない第三者を巻き込む交通事故を起こすようなケースも起きています。

実際、煽り運転を受けた車が別の車に追突し、被害を受けた車を運転していた女性は重体となった事件がありました。
事故のもともとの原因となった、煽り運転をした車のドライバーは、危険運転障害とひき逃げの罪で懲役6年の判決を言い渡されました。
ほかにも同様の事故を起こして被害者が亡くなってしまった事例では、加害者は懲役12年の罪に問われることになりました。

煽り運転は危険運転という法律違反

煽り運転はそもそも法律違反です。
そのことをきちんと理解しないまま煽り運転をしている人もいるのではないでしょうか。
自分が早く前に出たいからといって前方の車を威嚇する行為はとても危険です。
すでにお話したように、事故を誘発して無関係の他人を死に至らしめることもありえます。

場合によっては厳罰に処される可能性もあります。
もし煽り運転によって死傷事故を起こしてしまった場合、最長で30年以下の懲役刑を受けることもあり、もちろん免許も取消・欠格です。
先に挙げた例では懲役6年、12年という刑罰で済んでいますが、事故に遭われた方や家族の気持ちを思えば、この程度で済むのは不思議といってもいいのかもしれません。

なぜ煽り運転が起こるのか

前を走る車と後ろを走る車の速度の差が大きいほど、煽り運転が起きやすいといわれています。
前をのろのろと走られることで、後ろの車が我慢できずに急かしてしまうのです。

また前方車が、後方車に対して無理やり割り込んでくるなどの迷惑行為を行った場合、その仕返しとして後方車が煽り運転をするというパターンもあります。

煽り運転を回避する

自分の運転する車が煽られないために、「赤ちゃんが乗っています」といったステッカーを貼ることはとても有効です。
構わずに煽ってくるドライバーもあるかもしれませんが、良識あるドライバーは、前方を小さな子供が乗っている車が走っていることがわかれば無茶な運転はしないはずです。
また海外では車にダミーカメラを設置するという対策法がとられることもあります。

煽り運転とそれにつながる事故を回避するために、自分でできる限りの対策はとっておきたいものです。
そしてもし煽られてしまった場合でも、素直に後ろの車に道を譲る思いやりの気持ちを持ち、安全運転を心がけましょう。