自動車保険による過失割合

事故を起こしたときには、必ずその事故による双方の過失割合を実況見分によって明らかにしていきます。

事故後に警察に通報をするとすぐにパトカーが現地を訪れ、そこでどのような事故がどのような状況のもとで起こったかを調べていきます。
このときに調べた内容をまとめたものを「実況見分調書」と呼び、これをもとに加入している保険の担当者や間に入る弁護士たちがそれぞれ支払うべき金額について提示していきます。

最近は「警察が入ると面倒だから」とあえて通報せずにその場で勝手に示談金を要求するような詐欺事件も多く聞かれていますが、のちにトラブルに巻き込まれないように、きちんとこの実況見分調書は作成しておくようにしましょう。

信号によって変化する過失割合

「過失割合」とは、事故が起こったときにその双方のどちらにどれくらいの責任があるかを仕分けるための数字です。

例えば赤信号で立ち止まっていた人に対し、信号無視をした車が突っ込んできたような場合には、100%突っ込んだ車の方が悪いということはすぐにわかります。

ですがこれが車同士の場合には、どちらがどのくらいのスピードを出していたかや信号の状況はどうだったかによって完全に一方のみが悪いとは決め付けができなくなってきます。

例えば信号のある交差点の事故において、片方が青、もう片方が赤として侵入してきたときには、赤信号を無視した自動車が100%悪いとして処理をされます。

ですが仮に青信号で直進してきた自動車であっても、例えば夜間の無灯火や整備不良、危険運転などによる蛇行といったようなことがあったならば、完全に0:100ではなく10~20%の割合で青信号の自動車も責任があるとされることになります。

また赤信号無視があったとしても、前方に注意をしていれば明らかに赤信号で入り込んでくる車があることがわかるというケースにおいては、前方不注意による過失割合を受けることがあります。

基本的な過失割合

信号のある交差点での事故の場合に限らず、事故においては基本的に有利となる立場は決められています。

例えば前項のような青信号>赤信号といった場合で、これが黄色信号での直進時に赤信号無視の車と衝突したかや、また両方が赤信号のタイミングであったかによって過失割合は変わります。

また同じ信号状態の事故であっても、その事故対象が自動車同士であるか、それとも自転車・歩行者であるかによっても取扱は変化します。