前向き駐車とはそもそも何?
お店の駐車場などで、「前向き駐車でお願いします」という表記を目にしたことはありませんか?
前向き駐車とは、駐車スペースに車の先頭部分から入れる駐車方法のことです。
多くの人はバックで駐車スペースに入れる人が多いのですが、その駐車方法ではない方法で駐車をしてくださいというお願いになります。
なぜ前向き駐車をお願いするお店があるのかというと、これは近隣住民への配慮のためです。
前向き駐車をお願いするお店を見てみると、家屋や植栽と隣接しているケースが多いです。
もし後ろ向きで駐車すると、車から出る排気ガスや排気音がよりダイレクトに近隣の家屋などにかかってしまいます。
お店の利用者が前向き駐車を守らなかった結果お店と近所の関係が悪化すれば、店も商売がしにくくなります。
その結果、駐車場や店舗の移転を考えざるを得なくなる可能性も十分ありえます。
よく利用しているお店がなくなってしまって、結局自分が損してしまう、困ってしまうこともありえるのです。
ですから、自分のためという意味でも、前向き駐車には協力しておいた方がいいでしょう。
なお、前向き駐車を促す看板はお店の所有者が設置している看板なので、正式な道路標識ではありません。
よって、指示通りに前向き駐車しなかったとしても、交通違反にはなるということはありません。
ただしドライバーのマナーとして、店側がお願いしているのであればその通りにしておきましょう。
前向き駐車をするにあたっての注意点
前向き駐車は、初心者にとっては少しハードルの高い駐車方法かもしれません。
自動車教習所でも車庫入れなどの教習はありますが、基本的にはバックでいれる方法をレクチャーされるでしょう。
前向き駐車については教習がないはずです。
前から車を入れるだけだからバックよりも簡単そうと思うかもしれませんが、実際にやってみるとなかなか難しく、上手くいかなかったという方も多いのではないでしょうか。
前向き駐車をうまく行うために意識したいキーワードは、「内輪差」です。
内輪差とは、ハンドルを回して車を進めた時、内側の前輪と後輪が描く円の半径差のことです。
前進する際には、前輪よりも後輪は内側を通過する形になります。
とくに狭い道幅の道路から直角に駐車スペースがある場合、前輪のイメージで車を入れようとすると、隣の車に後輪が接触する可能性があります。
無理に一発で入れようとするのではなく、何度か切替して角度を修正して駐車するのが確実です。
前向き駐車は思ったよりも難しいので、初心者ドライバーなどは苦戦するかもしれません。
「自分には無理かも」と思ったら、無理せずに前向き駐車しなくてもいい駐車スペースを探すといいでしょう。