強風時のバイクの走り方


バイクに乗る際、天候は走行の安全性に大きく影響を与えます。その中でも強風は特に注意が必要な要素の一つです。バイクは車と比べて車体が軽く、風の影響を受けやすいため、強風時のツーリングには独特のリスクが伴います。この記事では、強風の基準や危険性、そして強風時に安全を確保するためのポイントについて詳しく解説します。

強風時はできるだけ走行を控えよう

基本的な考え方として、強風時にはバイクでの走行を避けるのが賢明です。強風によって車体が揺れると、思わぬ方向に流されたり、バランスを崩したりするリスクが高まります。特に台風や嵐のような激しい風が吹いている場合は、安全第一で予定を変更する判断が必要です。

強風の中をどうしても走らなければならない場合に備えて、強風の定義やその影響について知識を深めておくことが重要です。

危険な風の強さとは?

「強風」と一口に言っても、その程度によって影響の大きさが異なります。一般的に、風速10メートル毎秒以上の風はバイク走行に注意が必要な強風とされています。以下に風速の目安とその影響を示します。

  • 風速10〜15メートル毎秒
    吹き流しが水平に近くなる風速です。この程度の風であっても、高速道路では横風に煽られる感覚が生じやすくなります。車体が不安定になり、操作が難しくなるため注意が必要です。
  • 風速15〜20メートル毎秒
    歩行者が風に向かって歩けないほどの強さです。バイクで走行する場合はハンドルを取られることが頻繁になり、危険性がさらに高まります。
  • 風速20メートル毎秒以上
    人が立っていられなくなるほどの猛烈な風です。バイクや軽自動車は特に横転の危険性が高まります。このような状況では走行を完全に控えるべきです。

強風時の安全な走行ポイント

どうしても強風下で走行しなければならない場合、以下の方法を心掛けることでリスクを軽減できます。

1. 速度を落とす

強風時は通常よりも低速で走行することが最優先です。速度が高いと風の影響が増し、車体の振れ幅が大きくなるため危険です。特に高速道路では速度を適切に調整しましょう。

2. ニーグリップを意識する

膝と足首で車体をしっかりホールドすることで、バイクの安定性が向上します。ニーグリップは強風時の操作性を高め、予期せぬ揺れにも対応しやすくなります。

3. 風に向けて重心を調整する

横風が吹く方向に体の重心をわずかに移動させることで、風による煽りに対抗できます。例えば右から風が吹いている場合、バイクをわずかに右に傾けるイメージです。

4. スロットルを完全に閉じない

走行中にスロットルを完全に閉じると、風によってバイクがフラつきやすくなります。適度にスロットルを開けて走行を安定させましょう。

5. 周囲の状況を把握する

トラックやバスなどの大型車両の近くを走行する際は、特に注意が必要です。大型車が横風を受けて車線を越えてくる可能性があります。車間距離を十分に取り、安全な位置をキープしてください。

6. 道路の構造を考慮する

橋の上や山間部、海岸沿いなど、遮るものが少ない場所では風が強くなりがちです。このような区間ではさらに慎重な操作を心掛け、必要なら一時的に停車することも検討してください。

強風時の駐車方法

ツーリング中に強風で停車する場合は、駐車方法にも注意を払う必要があります。

  • サイドスタンドを使用すると風に強いとされています。
  • また、1速にギアを入れることで車体の動きを抑える効果があります。

強風下では車両が倒れやすいため、周囲に障害物がない場所を選んで停車しましょう。

強風下での走行は慎重な判断を

強風時のバイク走行は、通常の運転以上に注意が求められます。天気予報で風速を確認し、少しでも危険を感じた場合は無理せず計画を変更することが重要です。サービスエリアや安全な場所で風が収まるまで待つ選択も含め、自身の安全を最優先に考えましょう。

バイクに乗る楽しさを損なわないためにも、安全な判断と事前の準備を忘れずに!