安全運転講座~自動車編~

衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)とは

衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)とは

最近、衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)の普及が進んでいます。
衝突被害軽減ブレーキというのは、カメラやレーダーを使って先行車との距離を検出し、追突の危険性が高まった時点でドライバーに音や警告灯などで警告し、それでもドライバーがブレーキ操作を行わない場合にはブレーキが自動的に作動するシステムのことを言います。

社会の高齢化に伴って高齢ドライバーが増加し、交通事故が増えていますが、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制制御などといった安全装置を組み込むことによって、安全運転が促進されます。
衝突被害軽減ブレーキはメーカーによって呼び名が異なっており、トヨタの場合には「Toyota Safety Sense(プリクラッシュセーフティ)」、日産は「エマージェンシーブレーキ」、マツダでは「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」、そして三菱では「衝突被害軽減ブレーキシステム(Forward Collision Mitigation System:FCM)」と呼ばれています。

衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)を正しく使うためには

衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)で注意したいのは、たとえ装置が正常に作動していたとしても、走行時の環境次第では障害物を正しく認識することができず衝突を避けられないケースも起こり得るということです。
つまり、衝突被害軽減ブレーキさえ付いていれば絶対に安心というわけではないのです。
国土交通省では、衝突被害軽減ブレーキを使用する際の注意点を解説した啓発ビデオを公開していますので、参考にすることをおすすめします。

衝突被害軽減ブレーキの作動条件に関しては、車種やメーカーによっても異なってきますので、自動車の取扱説明書は熟読することが大切です。
衝突被害軽減ブレーキの性能は車種によって異なっており、2018年に行われた衝突安全性能評価ではスバルのフォレスターが最高点を獲得しており、以下、トヨタのクラウン、三菱のエクリプス クロスと続きます。

衝突被害軽減ブレーキの性能を認定するAEBS認定制度

2018年からは、衝突被害軽減ブレーキの性能を認定する「AEBS認定制度」もスタートしました。
認定制度では「静止車両に対する試験」「走行車両に対する試験」が行われ、「衝突被害軽減ブレーキが作動する少なくとも0.8秒前に警報が作動するかどうか」もチェックされます。

2021年11月からは、衝突被害軽減ブレーキの装着も段階的に義務付けられます。
ただし、衝突被害軽減ブレーキが搭載されてない販売済の車に関してはブレーキを後付することはできません。
衝突被害軽減ブレーキの導入により、交通事故数は世界的に減少しており、ブレーキ搭載車は保険料を割引する国も多くなっています。