交通安全講座〜歩行者編〜

歩行者が信号無視したらどうなる?

歩行者が信号無視したら罪に問われる可能性はある?

信号無視といわれると、車やバイクの運転手が問われる罪だと思っている人もいるかもしれません。
しかし、歩行者でも信号無視すれば処罰の対象です。
まず、道路交通法の第12条では、道路を渡りたいとき近くに横断歩道が近くにあるのであれば、横断歩道を渡らないといけないことが決められています。
そして道路交通法第7条では、道路を通行する歩行者は信号機の表示や警察官などの手信号に従うと規定されています。

もし歩行者の信号無視が原因で交通事故を引き起こしたと判断されれば、歩行者も刑事罰や民事罰に問われる可能性があります。
たとえ歩行者自身が一切事故の当事者になっていなくて、けがを負っていない場合でも、歩行者の信号無視が原因で車同士が事故を起こしたなら刑事罰を受ける可能性もゼロではないわけです。
もし過失傷害もしくは重過失傷害と判定されれば、懲役刑という判決が出る可能性もあります。

また、歩行者が起因する交通事故になった場合、被害者に対して損害賠償を負わなければならない可能性もあります。
自動車の事故だった場合、損傷の程度によってはかなりの賠償金を請求される可能性もあります。
数十万円、場合によっては数百万円単位の修理代を請求されることもあり得ます。

歩行者の過失割合はどうなる

もし歩行者が信号無視した、けれどもう一方の車両なども何らかの過失があった場合には、事故による損害はお互い一定の比率に基づき負担しなければなりません。
どれくらい被害の負担をするのか、これを過失割合といいます。
歩行者の過失割合ですが、横断歩道を青信号の時にわたっていて事故に遭遇したのであれば、まずゼロと思っていいでしょう。
完全に相手方の方が悪く、相手は損害賠償も全額負担しなければなりません。

しかし、もし歩行者が信号無視した、横断歩道ではないところを横断して事故に遭った場合には、歩行者の過失割合が大きくなると思っておきましょう。
信号無視は歩行者側にも大きな過失があると判断されてしまいます。
基本的に歩行者の過失割合は優遇される傾向がありますが、信号無視して相手の車が大きく破損した場合、一定割合相手の修理費を負担しなければなりません。

こういったリスクがあるから信号無視しない方がいいという話もありますが、そもそも信号無視をすると交通事故に遭遇するリスクがかなり高まります。
車に生身の身体が衝突した際は、肉体面のダメージもかなり大きくなるでしょう。
治療して治るケガならまだいいですが、人生に大きな影響を及ぼす後遺症が残る可能性ももちろんあります。
信号を守る、横断歩道のあるところを横断して、少しでも事故リスクを低くする努力をしましょう。