交通安全講座〜歩行者編〜

歩きスマホはやめましょう

歩きスマホは危険な行為

街中で、歩きながらスマホをいじっている人の光景をよく見かけます。
皆さんの中にも経験のある人がいるかもしれませんが、もし歩きスマホをしているのであれば即刻辞めるべきです。
というのも、歩きスマホは交通事故や転落事故、駅構内でトラブルの発端になるなど、百害あって一利なしだからです。

2011年ごろからスマホが急速に普及して、それとともにスマホに関わる事故も増加傾向にあります。
2013年にはJRの四ツ谷駅で小学生がスマホを見ながら歩いていたところ、線路に転落してしまうという事故が発生しました。
この時は小学生がホーム下にあるくぼみに入ることで、大きな事故にはなりませんでした。
しかし、電車が安全確保のために何時間も運転見合わせになってしまうなど、大きな影響が出ました。

歩きスマホをやったことのある人はどのくらいいる?

歩きスマホについて、東京消防庁が調査を行ったことがあります。
18歳以上の男女400人を対象に歩きスマホしたことがあるかの問いに、約49%が「したことがある」と回答したといいます。
一方で、歩きスマホが危険だと思うかという問いに対して、約88%の人が「危険だと思う」と回答しています。
多くの人が歩きスマホの危険性について理解しているけれども、どうしてもやってしまうというわけです。

スマホでいろいろな調べ物ができますし、暇つぶしにもなるので、ついつい歩いているときにもスマホ操作にいそしんでしまうのでしょう。
初めて行く場所を確認するために地図をずっと見続けてしまう、電車に乗る際には時刻表や乗り換えなどの経路を確認するなどして、駅で歩きスマホをしてしまう人は少なくありません。
ただし、歩きスマホをしていると画面に集中してしまって、周囲の状況が見えづらくなるのもまた事実です。

とあるところの調査で、駅のホームをスマホを見ながら歩くという実験が行われたことがありました。
その結果、実に95%もの視野を失った状態になっていることがわかりました。
これでは周りの状況がわからず人にぶつかってしまったり、最悪の場合ホームに落ちたりするのも無理はないのではないでしょうか。

歩きスマホでけがした人の割合を紹介

歩きスマホをした場合、事故リスクがどうしても多くなります。
事故の中でもトップスリーといわれているのが、ぶつかる・転ぶ・落ちるです。
東京消防管内の歩きスマホを起因とした事故のデータがあるのですが、ぶつかるが42.8%、転ぶが28.3%、落ちるが25.0%で全体の96%強を占めています。
けがの程度は軽症が8割近くなのですが、入院が必要な中等症が16.4%、重症や重篤も3.3%ありますので病院送りになるリスクも十分ある行為です。

このように、歩きスマホはよくみられる行為ですが、実は危険に満ち溢れていることを認識しなければなりません。
外出中にスマホの画面を見なければならない状況もあるかもしれませんが、その時は歩き続けるのではなく、いったん邪魔にならない場所に移り、立ち止まって画面をチェックするように心がけて下さい。