交通事故コラム

水中からの脱出方法

水中に転落したときの脱出方法

ないようで意外と多いのが、自動車ごと水中に転落する事故です。
水中に転落した際の状況や車の種類にもよりますが、自動車というのは水中に転落したとしても、すぐには沈まずに数分間は浮いているものです。
ですから、この数分間の間に車から脱出することが大切です。
水中に転落してしまった時のための緊急脱出方法を把握していれば、万が一の際にも慌てなくて済みます。

自動車の窓が開いており、そこから水が流入するような状況では車が沈むスピードが速くなりますので、注意が必要です。
シートベルトは水中でも難なく外せるように設計されていますので、常時着用し、水中に転落するなど非常時の際だけ外すことをおすすめします。

車が水に転落すれば、当然のことですが気が動転してしまいます。
慌てて行動を起こしても良い結果にはならないので、沈着冷静に行動することが大切です。

水中に転落した場合、水圧が大きく、車のドアが開くことはまずあり得ないので、窓から脱出することを考えなければなりません。
電動式の窓ガラスであれば絶対に開かないとは言えないので、開くかどうかとにかく試してみることが肝心です。
窓ガラスがちょっとしか開かないような時はガラスをハンマーで割って外出するのが一番ですので、ハンマーは日頃から手の届くところに用意しておくようにしましょう。

窓を割って脱出するには、窓が水面よりも上にある間に試みるようにしなければなりません。
なお、前方のガラスはハンマーを使ってもヒビが入るだけで割れることがないので、そこから脱出することは厳しいでしょう。

窓から脱出できない場合

どうしても窓を割ることができず、窓から脱出することができないような場合には、車内の水が胸か首に来るまで待ちます。
車室内に水が流入することによってドア内外の水圧差が少なくなれば、ドアは開けやすくなるからです。
電磁式ドアロックの車でも、各ドアの手動のレバーやノブなどを使ってロックを解除できるはずですので、万一の事を考えてあらかじめチェックしておくといいでしょう。

パニックに陥らず、迅速に行動することが大切

日本ではあまり聞かれない車の水中転落事故ですが、アメリカでは毎年数百人の犠牲者が出ています。
車が水中に転落してから脱出できるまでの時間は、最初の数十秒間と言われています。
水没し始めて30秒〜数分間以上経つと、水圧によって脱出が困難になってしまいます。
車は、エンジンのある重い前方から沈んでいくことも忘れないようにしましょう。

ドアが少し開くようであれば、クッションなどを扉の間に挟んで隙間が閉じてしまわないような工夫をします。
座席頭部のヘッドレストを引き抜いてドアをこじ開けることも考えなければなりません。