ながら運転のイメージ
曖昧になりがちな交通ルール

「ながら運転」の定義

ながら運転の危険性

音楽を聴きながら、おしゃべりをしながらなど、ながら運転にはいくつかの種類があります。
ながら運転の中でも増えてきたスマホのながら運転は、事故につながる危険性もあり、大きな社会問題となっています。
スマホを見ながらの運転は非常に危険で、2016年にはスマホゲームで遊びながらながら運転していたトラックの運転手が小学生をはねた事件も発生しました。

令和元年には道路交通法が改正され、ながら運転に対する罰則いや違反金が以前よりも厳しくなりました。
このながら運転には、運転しながら携帯電話を持って通話をする、携帯電話の画面を見ながら運転をするなどといった行為が含まれます。
カーナビの画面を見ながら運転したり、カーナビの運転操作をしながら運転したりするのも、厳密にはながら運転の範疇に入ります。

運転している最中には、ほんの数秒ながら運転をしただけでも交通事故に至るケースは珍しくないので、ながら運転は絶対に自粛することが大切です。
時速60kmで走っている場合、スマホをたった2秒間注視しただけでも運転している車は33mも進んでしまいます。
前方に歩行者がいることに気がついて急ブレーキを踏んでも、間に合わないこともありえるのです。

ながら運転による事故件数の増加

警視庁が公表したデータによれば、ながら運転による交通事故件数は2015年から2017年にかけては1500件を超える程度だったのに対し、2018年には2038件、2019年には2192件と目立って増加しています。
この背景には、スマホの普及が関与していると言えるでしょう。
便利な機能を備えたスマホを、カーナビ代わりにしているドライバーも珍しくはありません。

また、運転をしている最中に水やお茶を飲むドライバーは少なくありませんが、スマホとは違って視野を奪われることはありません。
ただし、運転中に食事をしたりメイクをしたりすることは「安全運転の義務」違反とみなされますので、やはり注意が必要です。

「ながら運転」の罰則内容

携帯電話を手に持って使用していた場合の罰則は、法の改正前は50,000円以下の罰金でしたが、改正後は6カ月以下の懲役または100,000円以下の罰金に変更されています。
反則金も、普通車の場合6,000円から18,000円になり、違反点数が1点から3点になるなど、罰則内容はかなり厳しくなっています。
さらに、危険があるながら運転をした場合、1年以下の懲役または300,000円以下の罰金が科せられます。

信号待ちをしている間のスマホ操作はながら運転には該当しません。
ですが、交通事故は起こってしまってからでは遅いので、運転中にはスマホの扱いには十分注意する必要があります。